私は関東地方出身で今まで関東から出て暮らしたことがない。
生まれは田舎、大学で湘南の端っこ、仕事で東京。
だから他の地方のことはよくわからないが、関東のお祭りの屋台によくある「広島風お好み焼き」屋についていろいろと思うところがある。
一言でいうとこのお祭り屋台の広島風お好み焼きというのは食べづらくてベトベトしてあまり美味しいものではない。
普通の焼きそばの上に玉子焼きを乗せてソースをかけただけの、ソースの暴力だ。
だから私個人としてはそんなに好きなものではなかった。
だが先日、友人夫婦を訪ねて広島に遊びに行った際に「本物の広島風お好み焼き」というものを食べた。
正直とてもおいしかった。
鉄板の上で気難しそうなおっさんが焼いたそのお好み焼きを鉄板の上でヘラを使って食べるのだが、玉子を溶いただけではないちゃんとした生地はべっとりとしておらず、麺の塊もしっかりと形を保ち、ソースも必要な分だけかかっていた。
本場の広島風お好み焼きを食べずに屋台のものだけを食べて嫌っているのは正直もったいない話だと思った。
このあたりについて、広島の人たちは大きく損をしているんじゃないかと思う。
ベトベトのカロリーとソースの暴力な屋台のお好み焼きしか知らない人たちは本物についても誤解していそうだし(というか自分がしていた)、あんな不味いものを有難がっているなんて味音痴と思われてしまうのではないか。
だから私は非広島人として、少しはみんなの誤解を解く手伝いが出来たらいいと思った。
それに、豪雨被害で大変な広島を食べて応援できたら、Win-Winなんだと思う。
東京に住んでいるのであれば、小田急線の経堂駅の近くに八昌という広島風お好み焼きが食べられるお店がある。
ここは本場広島の名店ののれん分けのお店で、広島以外では経堂にしか店を出していない。
予約が取れずいつも満席なので難しいとは思うが、広島風お好み焼きを誤解している人にこそ店に食べに行ってほしい。
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