夜が好き。

夜は昼間に働いて疲れた体を癒す時間。
本を読んだり、絵を描いたり好きなことをする時間も、お酒を飲むのも夜。
うるさく意地悪な昼と違って、夜は静かで優しい。


夏の夜は風が涼しくて気持ちいい。
清少納言の枕草子では

夏は夜。
月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。
現代語訳:
夏は夜がよい。
満月の頃は言うまでもなく、新月のときも、蛍が多く飛び交っているのがよい。
一方で、蛍が1匹2匹と、ほのかに光り飛んで行くのも趣きがある。
雨が降るのも趣きがある。

と書いてある。
蛍がたくさん飛び交う光景は見たことないけれど、きっときれいなんだと思うし、そういうのを想像するのが好き。
大学時代海沿いの街に住んでいた頃は、夏の夜の潮風にあたってゆっくりするのが好きだった。


冬の夜は空気が澄んでいるのがいい。
暖房が効いた部屋から出ると空気がしんと冷たくて外出したことを後悔するけれど、コンビニで買ったココアが妙においしく感じて、そのうち頬にあたる冷気も心地よく感じるようになってきて、帰宅した後にもぐりこむ暖かい布団は幸せそのもので。
東京では星はあまり見られないけれど、人里離れた山の冬の夜空は嘘みたいにきれい。
クリスマスの時期は色とりどりのイルミネーションが夜の街で美しさを競い合っていて、音楽も楽しげでだれもが嬉しそう。


夜は何気なく本音を言えてしまう。
朝には言えないことも、夜になったらなんとなく言ってもいいような気分になる。
大事な話をするのは、いつも夜。

夜は愛の時間でもある
恋人たちが愛を語り合い、身を寄せ合って眠る夜。
愛の音楽セレナーデ(Serenade)は「夜、恋人の部屋の窓の下で歌ったり、弾いたりする甘く美しい曲。」と定義されている。
ちなみにセレナーデの日本語訳は「小夜曲」。
私の名前はここから取られていたりする。


秋の夜に生まれ、夜の名前をもらったsayokoの夜への愛の話でした。