社会人になってから強く関心を寄せるようになったものの一つに、性的少数者とその人権というものがある。
LGBT、つまりレズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダーの人々についてだ。

自分は多数派側の人間である。
生まれが女で性自認も女、恋愛対象は男性のみ。
いわゆる、ストレートというくくりに入る人間である。
そんな自分がなぜ性的マイノリティーに関心を持ったのかは正直覚えていない。

ただ、身近にそういう人はいた。
もう退職した会社の同期がゲイで、生まれが男で性自認も男、だけど恋愛対象は男性という人だった。
彼はそのことを隠すことがなく、飲み会でパートナーの話をすることもあった。
そんな彼との関わり合いの中で自然とそういう問題への関心が生まれたのかもしれない。

性的少数者への支援やそういう社会活動をするストレートの人間を、「アライ」というらしい。
自分は特段そういった活動をしていないし、身近なマイノリティの人たちに対して何かをしていることもないから、アライではないと思う。
だけどもし、そういったことで困っている人に出会ったときに、何か助けになるような事ができたらいいなぁと思っている。

アライだから、アライじゃないから、とか正直そんな枠のことはよくわからないけど、どちらかというと私は彼らの人権の保護を声高に主張したいのではなく、もっと身近な人の困りごとや悩みごとに親身になりたい。
少し前に話題になった「生産性」という言葉に傷ついた人がいるのなら、私はその人に「気にすることはないよ、少なくとも私は味方だよ」と言えるようになりたい。

もし自分の元に赤ちゃんが来てくれたら、将来自分の名前が自由の枷にならないよう中性的な名前を付けてあげたい。
「つかさ」とか「いつき」とか「じゅん」とか「れい」とか。

人として生まれた以上、自分の心に正直にいて、その上で幸せになれたらいいと思っている。
それは生まれや心が男なのか女なのかとか、誰のことが好きとかも含めてありのままの自分で幸せになるべきなんだと思っている。
今はまだ完璧にそういう風に生きていける世の中ではないから、少しずつ変わっていけたらいいのだと思う。