私は父親から多大なる影響を受けている。
趣味の音楽も、仕事も、なぜか父の背中を追うようにして進んできた。

ジャズが好きだった父親と、大学でジャズ研究会に所属した私。
SEだった父親と、SEの私。

その時その時の選択で、父親のことが頭に浮かんだりしたわけではないけれど、後から気づいて「あれ、父親と同じような価値観なのかな」と思うことがよくある。

元々似ている親子ではない。
髪の毛や眉毛の生え方の癖が全く同じだから間違いなく私は父親の娘なのだけど、それ以外は外見も性格も本当に似ていない。
だけれどその生きざまにきっと、知らず知らずのうちに影響を受けてきたのかもしれない。

「子は父の背中を見て育つ」というありがちな言葉は、案外当たっているのかもしれない。
過干渉な両親だったが、それに対する憎しみよりも愛と感謝のほうが大きいから、意外と父に似てきている自分を面白く思い受け入れている。