先日、Aqua Timezによって解散が発表されました。→Aqua Timezより皆様へ

私は中学の頃にAqua Timezと出会って以降、今日までゆるくファンを続けてきました。
CDは全て集め、ライブにもちょくちょく足を運んで、ファンクラブに入っていて、そんな感じが自分にとっての当たり前の人生で、日常でした。

だからあの日、解散のお知らせがメルマガで送られてきた2018年5月8日、まるで自分という人間を構成する色々なもののうちの半分を一気に失ったように愕然とし、絶望しました。
その夜は家に帰って泣き、バーに行きウイスキーをたらふく飲んで泣き、また家で泣くという失恋のような荒れ方をしました。
ですが二晩ほど夜を越し、Aqua Timezのことを考えるうちに気持ちは落ち着きを取り戻し、以下のインスタの投稿を通してAqua Timezのメンバーに向けて感謝のメッセージを書くことができるまでになりました。

sayoko さよこさん(@okoyas_sayoko)がシェアした投稿

以下、このインスタの投稿で1番Aqua Timezにお伝えしたかった部分の抜粋です。

楽しかったり、辛かったり、その時その時や曲ごとに思い出があります。
そのすべてが私にとってかけがえのない宝物で、愛にあふれたものでした。
こんなに沢山あたたかい宝物で心を満たされているのだから、この先Aqua Timezがいない人生を歩むことになっても幸せで生きていくことができると思いました。
新しく増えることはないのかもしれないけれど、今までもらったものは私の胸の中やiPhoneのプレイリストに確かにあって、今後もいろんな場面で私と喜怒哀楽を共にしてくれるのだと思います。

解散の発表からもう2週間以上が経過した今でも、寂しさは感じながらも悲しさはもう忘れることができています。
ツイッターのタイムラインで繋がっている他のteamAQUA(Aqua Timezファンの意)も落ち着きを取り戻しているように思います。
そんなタイミングではありますが、改めて自分の中でのAqua Timezというものを振り返ってみたいと思います。

Aqua Timezという存在

世間の皆から一発屋と言われ続けたけど、世間の皆の青春を代表するバンド

Aqua Timezの解散の発表を受けて、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんが以下のようなツイートをされました。

解散の発表から数時間の後には、Twitterのトレンドの上位に Aqua Timezがランクインし、大森さんのように寂しがるツイートであふれました。
その中でも目立ったのが、「Aqua Timezは自分の青春だった」という声でした。
そして一緒に呟かれる、みんなの思い出の曲の数々。

インディーズでリリースしたミニアルバム「空いっぱいに奏でる祈り 」をミリオンヒットに導いた「等身大のラブソング」、
映画「ブレイブストーリー 」の主題歌となり紅白でも披露された「決意の朝に 」、BLEACHの映画一作目となり、片思いしている人たちの背中を押した「千の夜をこえて 」、ごくせんの主題歌に抜擢され、2度目の紅白出場に繋げた「
、他にも「小さな掌 」や「ALONES 」などの曲が挙げられていました。

ちなみに今ご紹介した曲たちは全部ベストアルバムで聴くことができます。

12年活動してきた中で、Aqua Timezはこんなにも世間の人達の心の中に残る曲を沢山世に送り出してきているのだな、こんなにも愛されていたのだなと驚きました。
まだメンバー若くバンドの勢いが強くバンバン売れていたときには、巨大匿名掲示板なんかでは「一発屋」などと揶揄されていましたが、蓋を開けてみれば解散の報で沢山の人が懐かしみ、青春の終わりを悲しんでいるスゴいバンドになっていました。
自分も同じです。多感な青春時代にリピートしていた曲たちは今聴いても鮮やかに心を打ってきますし、その時の思い出が一緒に蘇ってきて懐かしさに涙が出そうになったりします。

ただ、現在進行形でAqua Timezを愛していた自分としては、近年の曲たちや最新アルバムなんかも素敵な曲ばかりですし、昔の曲に負けないくらいかっこよくクオリティが格段に良かったりと、ファン以外の方々にこそ聴いてもらいたいと思っていました。
それでもこんなに沢山の人に愛されているという事実にただただ感動するばかりです。

歌詞が子供っぽい、幼稚という批判だけど

巨大匿名掲示板で思い出しましたが、Aqua Timezには、今でこそ全くと言っていいほどいませんが10年ほど前にはそれはそれは沢山のアンチがいました。
まだまだ純粋で多感な中学生だった私は、巨大匿名掲示板に毎日書き込まれるアンチコメントを読んでは悲しみ、怒っていました。

色々な酷い言葉がそこには沢山並んでいたと思いますが、今となっては昔のことです。もうどんなことが書かれていたのかは詳細には覚えていません。
ですが、今でも印象に残っているアンチコメントがあります。
それは「歌詞が子供っぽく幼稚」といった類のもので、何度も目にしました。
たしかに、大人になった今振り返ってみると、かなりストレートでシンプルで、子供でもこんな歌詞書けるんじゃないかと思ってしまうのも無理はないかな、と思います。

でもよくよく歌詞を読んで聴いてみると、すごく綺麗に韻を踏み、丁寧に歌詞が作られているのが感じ取れるんです。
大人になったからこそ、シンプルな歌詞に隠れた意味に気付いたり、言葉の意味を実感したりするんです。
例えば、メジャーデビュー時にリリースしたミニアルバム「「七色の落書き」 」収録の「静かな恋の物語」の歌詞の一節にこんな箇所があります。

幸せな空想を抱いたまま眠る夜 あなたは誰を想い誰の夢を見るの?
会えない時間は僕らを何処に連れて行くんだろう 変わらないものがない この世界で

歌詞の詳細についてここで多くを語ることはしませんが、大人になり沢山の経験を重ねてきたからこそ、この歌詞が心に切実に響いてくるように思います。

また近年の楽曲の歌詞はさらに意識してシンプルに、それでいて詩的で美しくなるように丁寧に綴られていました。
10th Anniversary Best BLUE 」に収録されている「シンガロング」という曲のこの歌詞なんか秀逸です。

初恋っていう輝かしい戯言?

こんな、ワンフレーズだけでこんなに美しく初恋について描写できる人というのはなかなかいないのでは、と思います。
(ちなみにこのシンガロングという曲は恋愛ソングではなく、爽やかロックでとても聴きやすい隠れた名曲です。
太志さんの歌い方がとてもやわらかく、聴いていてとても心地よいので沢山の人にオススメしたい一曲です。)

確実に、Aqua Timezはクオリティをどんどん上げながら沢山の素敵な曲たちを世に送り出してくれました。
歌詞のみならず、サウンドや楽器の表現にも一層磨きがかかり、大人のカッコいいバンドになっていっていたと思います。
昔のヒットした曲たちよりも何倍もいい曲が沢山あります。
近年のその素敵な沢山の曲がファンの間での名曲となってしまったのはとてももったいないことだと思います。
そして、これからもどんどん止まることなくさらにいい曲たちが生み出されていくことを期待していたので、やっぱりちょっぴり、まだ残念でもあり悲しくもあります。
それでも。

Aqua Timezへは感謝の気持ちでいっぱいです。

何より喜怒哀楽をともにしてくれた。

Aqua Timezに出会えて本当に良かった。
辛く苦しかった思春期を乗り越えられたのは、iPodで「決意の朝に」を毎日再生していたから。
好きな男の子に告白したもの、「千の夜をこえて」や「ほんとはね」に背中を押してもらったから。
人間関係でごちゃごちゃしていたときに叱咤激励してくれたのは、1番辛い時期にリリースされた「生きて 」だった。


 

ずっとずっと支えてくれていた。
楽しい時には沢山楽しい曲を聴いたし、ライブで跳ね回るのは面白かった。
本当にAqua Timezのお陰で今までの人生が豊かなものとなりました。

そしてこれからの人生がもう素敵じゃないのかといえば、それは全く違います。
今までもらった沢山の曲と思い出はこの先もずっと私の糧となるという絶対的な確信がありますし、苦境に立っても強く生きていけるだけのパワーを沢山 Aqua Timezからもらっています。
なにより、曲はこの先もずっと残り続けます。Jazzの名曲が今でも世界中で愛されるように。
太志さんが解散の発表のコメントに書き記した、

いつか歳を重ねてもみんなの口ずさむ曲がAqua Timezの曲だったらいいなぁってワガママを最後に残して、ほんとにありがとう。

は、言われなくてもこちらとしてはそのつもりなのです。
きっと死ぬまで私はAqua Timezファンです。

今までありがとう。そして、これからのAqua Timezへ。

感情のほとばしるままに文章を書いていたら、ずいぶんと長いブログになってしまいましたが、やはり1番思っていることといえばAqua Timezへの感謝と、これからのメンバーの未来が素敵であるようにという祈りです。
本当に素敵な思い出をありがとう。
まだ年内の活動は残っていますが、それが全て終わりAqua Timezの幕を閉じたら、素敵なクールダウンと素敵な旅立ちをしてほしいです。

そしていつか、何年先か、何十年先かでも、再びAqua Timezとして戻ってくることがあるのかもしれないし、ないかもしれないですが、もしそんな日が来るのなら私は笑顔で「おかえりなさい」と言いたいと思います。
なんたって、死ぬまでAqua Timezファンのつもりなのですから。
でもしばらくは、感謝と思い出に浸って、未来のことを考えるのはやめにします。だって、やっぱりちょっと悲しいから。